答えになる前の言葉
更新日:8月12日
What do you think?(どう思いますか)
と聞かれたら、どう答えますか。
はっきり答えがあるときもあるけれど、何と言ったらいいのか、すぐに言葉が出てこないこともあります。
そんなときに使える表現の一つに、
I haven’t really thought about it, but…(あまり考えたことはないけど……)
があります。
少し戸惑っている。
今ここで考えてみようとしている。
そんな、まだ答えになっていない気持ちは、どんな言葉で表せるでしょうか。
I don’t know.(わかりません)
It’s hard to say.(なんとも言えないな)
That’s a tough one.(難しい質問ですね)
など。
こうした「わからない」や「まだ考えがまとまっていない」という気持ちを言葉にするとき、日本語と英語では少し違うなと思います。
日本語では、
「分からない」
「難しい」
「そういう考え方もあるね」
のように、主語を言わなくても自然に会話が成り立ちます。誰がそう感じているのか、文脈の中で伝わることが多いからです。
一方、英語では、
I think…(私は……と思います)
I feel…(私は……と感じます)
I’m not sure…(私はよく分かりません)
のように、“I” を主語にして、自分の考えや気持ちを表すことがよくあります。
でも、“I” を使うからといって、いつもはっきりとした意見や結論を言わないといけないわけではありません。
I’m not sure, but… (よく分かりませんが……)
I guess what comes to mind is… (そうですね、今思い浮かぶのは……)
That’s a good question. Let me think. (いい質問だね。ちょっと考えさせて。)
こうした表現を使えば、考えながら話すことができます。
すぐに答えが出ないときは、
I’m still thinking about it.(まだ考えているところです)
I can see both sides.(どちらの立場も分かります)
など、考えている途中の気持ちを言葉にすると、自分の正直な気持ちが少し伝えやすくなるかもしれません。
気持ちは、いつも一つとは限らないから、
Part of me thinks it’s a good idea, but another part of me is worried.(良い考えだと思う気持ちもあるけれど、一方で不安な気持ちもあります)
や、
相手の言葉を受けて、
I’ve never thought about it that way.(そんなふうに考えたことはありませんでした)
I can see where you’re coming from.(あなたがそう考える理由は分かります)
と言ったり。
英語は、「意見をはっきり伝える言語」というイメージがありますが、実際には、
分からない。
まだ考えている途中。
どちらとも言いきれない。
といった、答えになる前の気持ちを表すフレーズもたくさんあります。

考えがまとまってから話すのではなく、まとまっていないことも、少しずつ相手に伝えてみる。その言葉を受け取った相手から、また新しい言葉が返ってくる。
そうして、自分一人ではたどり着かないところへ、互いに近づいたり、離れたりしながら進んでいく。
人と話すことの豊かさは、まだ答えになっていないものを、なんとか伝えようとする過程にもあるのかなと思ったりします。(K)
photo by Toshie Kusamoto



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